ふんどしと健康

締め付けの強い下着の弊害

なぜ「寝る時だけふんどし」が身体に良いのか?
締め付けの強い下着を止めることによって適度な冷たさの刺激が身体に与えられ、
体内で熱を産生しようとする努力、つまり産熱機能が高まり、
その結果、内蔵の働きが活発になって血行が良くなるからです。
これは医学では常識的なことだそうです。

考えられる締め付けの強い下着の弊害

①エネルギーの節約を目的とする睡眠時にエネルギーを浪費してしまう。
→皮膚呼吸が妨げられ、他の部分がこれを補おうとエネルギーが使われてしまい、睡眠というせっかくの休息時間に無駄にエネルギーが消耗されてしまう。

②皮膚温度が低下する。
→締め付ける下着は血液の流れを遮り、皮膚温度が下がってしまいます。

③呼吸数、脈拍数が高まる。
→締め付けることで微妙に低下した体温を上昇させようと努力するため、休息時間である睡眠中に、反対に呼吸数、脈拍数を上げてしまいます。

④締め付けの強い下着が通気性を失い、皮膚呼吸を妨げる。
→睡眠中は全身に温熱発汗があるが、その汗は下着に吸収されます。通気性を失い密着する部分は皮膚呼吸が妨げられ、窒息状態となってしまう。

⑤酸素が少ない部分は細菌の住処(すみか)となる。
→身体に密着した下着は、酸素が少なく多湿なため、殺菌の絶好の繁殖場所。

⑥体内産熱を抑制し新陳代謝を損なう。
→肌に密着した下着は、熱を逃してしまう放熱作用があります。

⑦身体の疲労困憊を引き起こす。
→身体の一部に拘束が生じると、身体はそれを排除しようと努力します。たとえ軽度の拘束でもそれが長時間続けば身体は当然疲れきってしまいます。

 

下半身を解放するとどうなる!?

睡眠時だけでも締め付けの強い下着を止めることで生理的機能の回復だけでなく、
腰痛、肩こり、冷え性、便秘や下痢などのお腹の症状などにも効果が期待できるようです。

実は熟睡できていない!?睡眠の質の問題

日中に受けたストレスをその日のうちに解消するには、睡眠を充分に取ることが重要なのですが、
締め付けの強い下着では「寝つきが悪い」「目覚めが悪い」などと、熟睡できないことが多いようです。

心身の疲労を取り除いてくれる熟睡は、
身体が拘束を受けていない状態で初めて得ることができます。

大腸肛門科の専門医 山田麻子先生に聞いた。ふんどしが女性にもオススメな理由

山田麻子先生

女性ならでは視点から解説して下さる山田麻子先生

痔と下着の関係について解説をお願いします。

痔にかかわらず、下着はデリケートゾーンを清潔に保つことが大切ですから、
素材はよりナチュラルなものを選んで頂きたいです。
下着でも適度な通気性は菌の繁殖を抑えてくれる効果もあります。
蒸れやすいナイロンよりも、綿、リネンなど麻素材が下着には適していると思います。

特に女性が下着で気をつけたいことはありますか?

女性は締め付けの強い下着や、ガードルや補正下着などを使用する場合もありますが、
蒸れはもちろん、血液の循環を妨げたり、かゆみの原因になる恐れがありますので、
無理のない範囲で使用することをお勧めします。
また長時間の着用はデリケートゾーンを蒸れやすくしてしまい、
菌の繁殖を増進させてしまいます。
この蒸れは、最近特に多いカンジダ症などの原因の一つになっており、
衛生面でも良くありません。
また、女性はビキニラインの色素沈着も気になりますが、
下着の強い締め付けが原因となっている場合も多いようです。
やはり締め付けの調整が出来る下着が良いでしょう。

お医者様の目線で「ふんどし」はオススメできますでしょうか?

非常に良いと思います。
24時間だとなかなかハードルは高いと思いますが、締め付けず、
通気性も適度に良いことから就寝時のみの使用は非常に効果的ではないでしょうか。
血液やリンパの流れを妨げないこともオススメのポイントです。
また、実際に試すとよくわかりますが、越中ふんどしの構造上、
おなかの部分は生地が二重になってくれることで、おなかの冷えが適度に解消されることも良いですね。
おなかにやさしい下着とも言えるでしょう。
ふんどしは、ピタっとせずリラックスできる下着ですので、
就寝時はもちろんですが、一日外出予定の無い休日やデスクワークでの着用もとても良いと思います。

山田麻子先生

女性外来(火曜終日+金曜午後)で女性に優しい心配りも

 

女性のふんどしの選び方のアドバイスはありますでしょうか?

やはり素材が大事かと思います。
綿はもちろん、少し値段も上がりますがリネンや麻など天然素材のものもあります。
あとは「寝る時だけ」のナイトウェアといってもまだまだ女性には抵抗があり、ハードルが高いので、気分が上がる可愛いものを選びたいですね。

最後にメッセージをお願いします。

男性だけでなく、女性にも「ふんどし」はとてもオススメです。
女子目線ではもっと「カワイイ」ふんどしが増えて欲しい!笑
まだなかなか恥ずかしさもあって店頭では買いにくいので、これからも日本ふんどし協会さんに頑張って頂き、「ふんどし」へのハードルを下げてもらえたらと思います。
応援しています。

お話を伺った

山田 麻子(やまだ あさこ)先生のプロフィール
専門
  • ■ 大腸・肛門科(日本大腸肛門病学会会員)
  • ■ 消化器内視鏡(日本消化器内視鏡学会専門医)
  • ■ 消化器内科(日本消化器病学会会員)
  • ■ 一般内科(日本内科学会認定医)
  • ■ 日本医師会認定産業医
  • ■ スポーツ医学(日本医師会認定健康スポーツ医)
  • ■ AJKF全日本キックボクシング連盟、RISE、IKUSAリングドクター
略歴
東京女子医科大学卒業(平成7年度卒業)後、東京女子医科大学附属消化器病センター消化器内科研修を経て、H14埼玉県立がんセンター消化器内科入局。消化器内視鏡検査、内視鏡的治療をはじめ、消化器癌に対する抗がん剤治療、女性の便秘治療を積極的に診察、治療。平成17年より寺田病院非常勤医師となり女性外来担当。

平成18年5月より寺田病院の常勤医師として赴任、数多くの雑誌、メディアに掲載。平成19年6月より、医療法人俊和会アイビー大腸肛門クリニック院長に就任。

アイビー大腸肛門クリニック 院長 山田麻子先生のご紹介

アイビー大腸肛門クリニックのホームページは→こちら